アロマオイルについて調べていると精油、エッセンシャルオイル、オーガニックアロマオイルなどさまざまな言葉を目にします。
でも違いがわからず戸惑ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
精油(エッセンシャルオイル)とは、100%天然のオイルのことを指しています。
AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)では精油(エッセンシャルオイル)を 以下のように 定義しています。
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである。
引用:AEAJ公式サイトより AEAJの精油の定義
この記事では、オーガニックのアロマオイルがどういうものか、精油(エッセンシャルオイル)の見分け方や安心して購入できるメーカーなどを詳しく紹介していきます。
※この記事に掲載している店舗情報は2024年2月elie編集部調べ
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オーガニックのアロマオイルとは
オーガニックのアロマオイルとは、有機栽培の原材料を使用していて、化学的な成分、例えば防腐剤や保存料、合成香料などはほとんど含んでないものを指します。
似た言葉に「天然精油」と呼ばれる製品がありますが、オーガニックアロマオイルと天然精油も異なるものです。
天然の原材料であっても、自生しているものなど有機栽培されていないものを使用している場合はオーガニックとはいえないのです。
日本には精油に関するオーガニック認証基準がない
フランス、イギリス、スイスなど、古くからアロマテラピーを取り入れているヨーロッパの国には、オーガニック精油の認証機関があります。
認証には、厳しい基準が設けられていて、認証されているメーカーの製品には認証マークがついています。
日本には精油に関するオーガニック認証機関がないため、国内で販売されているオーガニック精油は認証機関がある国から輸入した製品が多くなっています。
国内産の精油の場合でも、認証こそありませんが、有機栽培の植物から作られていて、実質オーガニックといっていい商品もあります。
オーガニックの基準に沿って製造しているブランドもあるので、気になるブランドがあれば、公式サイトで確認してみましょう。
オーガニックと表示するには有機JAS認定が必要
日本国内には、精油に関するオーガニック認証基準はありませんが、製品に「オーガニック」と表示するには、農林水産省の定めた「有機JAS認定」を取得しなければなりません。
有機JAS認定を取得するためには、天然由来の農薬や有機肥料(植物性・動物性)を使うことなどが条件で、化学肥料や農薬の使用は認められていません。栽培の過程で遺伝子組み換え種子も使用しません。
有機JAS認定を取得している製品であれば、オーガニックと表示できる品質であるということです。
オーガニックアロマオイルの魅力
オーガニックの精油(エッセンシャルオイル)は、栽培の過程で化学物質を使用していないため、オーガニックではないアロマオイルと比較すると植物が持つ本来の力がそのまま含まれています。
香りの成分も高濃度で凝縮されているので、香りがはっきりしていて強いにもかかわらず、不快なきつい香りではありません。実際に店舗などで香りを比較してみると、同じ植物でも香りの濃度や深さが違うことがわかるでしょう。
アロマオイルの成分は、直接飲用せず芳香として使用する場合でも、鼻や口から肺を通して体内に吸収されます。また、塗布した場合はもちろん皮膚を通して吸収されます。
アロマテラピーなどで体内に吸収されることを考えると、少し値段が高くてもオーガニックの精油(エッセンシャルオイル)を選んだ方が良いように思えますが、どのように使い分けるのがよいのでしょうか。
次から詳しく解説していきます。
オーガニック、精油(エッセンシャルオイル)、合成オイルをどう使い分ける?
体内に吸収される可能性があるアロマオイルは、できれば栽培過程から合成の化学物質を使用していないオーガニックのものを使用した方が安心です。
とはいえ、さまざまな方法で生活に取り入れることもアロマの楽しみの一つ。
オーガニックのアロマオイルだけにこだわらず、用途に合わせて使い分けるという手もあります。
では、どう使い分ければいいのでしょうか?3つのケースに分けてご紹介します。
オーガニックを使うといいとき
オーガニックの精油(エッセンシャルオイル)を利用したほうがいい主なケースは次の2つです。
オーガニックの精油(エッセンシャルオイル)使うといいとき
- 子どもやペットがいる部屋で使用する
- より効果・効能を得たい
アロマテラピーで利用する精油(エッセンシャルオイル)であれば、植物の持つ効果・効能を得ることができます。
しかし、より高い効果を得たい場合は、栽培時の肥料や土壌の環境にまで配慮し収穫された原料を使用するオーガニックの精油の方が、より安全性が高く、植物本来の機能を発揮できるといえます。
マッサージや入浴などはオーガニックでなくても問題ありませんが、肌に直接つけるものにはこだわりたいという方は、精油(エッセンシャルオイル)の中でもオーガニックのものを選ぶといいですね。
精油(エッセンシャルオイル)を使うといいとき
精油(エッセンシャルオイル)を使うといいケースは次の3つです。
精油(エッセンシャルオイル)を使うといいとき
- マッサージに使用する
- 入浴剤として使用する
- ルームスプレーや香水として使用する
アロマテラピーで使用するのは精油(エッセンシャルオイル)のみですから、皮膚から吸収されるマッサージや入浴剤として使う場合は、精油(エッセンシャルオイル)を使いましょう。
鼻や口から体内に取りこまれるので、気になる方はルームスプレーや香水として使用する場合も精油(エッセンシャルオイル)を使用するといいですね。
ただし、精油(エッセンシャルオイル)は純度が高いので原液のまま使用することはありません。肌に直接使用する場合も、 刺激が強いため希釈する必要があります。
では、精油(エッセンシャルオイル)を利用することが多い3つの用途別に希釈方法や使い方を簡単にご紹介します。
マッサージオイル
マッサージオイルは、精油にホホバオイルなどのキャリアオイルを加え、1%程度(顔に使用する場合は0.5%以下)の濃度にし遮光瓶に入れて保存しておきます。
一度に大量に希釈するのではなく数回で使い切るようにします。
入浴剤
入浴剤として使用する場合は、オイルなので直接浴槽にたらしてもお湯とは混ざりません。重曹、塩などに少量を加えてから入れます。
ほかに、はちみつやベースオイルで希釈する方法やエタノールで希釈したものを使用する方法もあります。(全身浴の場合の目安はエタノール5mlに5滴)
ルームスプレー
ルームスプレーとして使用する場合は無水エタノールと精製水で希釈します(無水エタノール5ml、精製水45ml精油10滴程度)。
香水として使用する場合は、精製水は使用せず、精油を無水エタノールで希釈します。
合成香料入りオイルを使うといいとき
3歳未満の小さな子どもやペットがいなくて、香りを楽しむ目的で使用するだけなら、オーガニックや精油(エッセンシャルオイル)にこだわらなくても問題ありません。
アロマディフューザーやアロマスプレーなど、好きな香りを選んで利用しましょう。
さまざまな香りが選べるお試し用のミニサイズのボトルや人気の香りが入った初心者向けのセットなどが販売されているので、その中から好きな香りを選んでみるのもいいですね。
ぜひ、利用する場所や気分に合うお気に入りの香りを見つけてください。
精油(エッセンシャルオイル)の見分け方
用途によっては、必ずしもオーガニックや精油(エッセンシャルオイル)でなくてもよいことは先ほどお伝えしました。
では、精油(エッセンシャルオイル)かどうかはどうすれば見分けることができるのでしょうか?
精油(エッセンシャルオイル)であるかどうかを簡単にチェックするポイントが3つあります。
精油(エッセンシャルオイル)のチェックポイント
- 遮光瓶に入っているか
- 精油またはエッセンシャルオイルの表記があるか
- 学名が記載されているか
それぞれのチェックポイントについて少し詳しく見ていきましょう。
チェックポイント1. 遮光瓶に入っているか
精油は紫外線で品質が劣化しやすく、精油成分の中にはプラスティックを溶かす性質をもつものもあるため、透明のガラス製の容器やプラスティック容器に入れて保存することはありません。
必ず、遮光できる茶色または青色や緑色のガラス製の瓶に入っています。
天然のアロマオイルはとてもデリケート。保管方法が適切でないと、成分が変質したり劣化したりしてしまい、香りが変わってしまう場合もあります。
直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保管する必要があるので、天然のアロマオイルを購入するときは、品質管理が行き届いているアロマ専門店で購入するといいですね。
チェックポイント2. 精油またはエッセンシャルオイルの表記があるか
ラベル表示例
- 精油
- エッセンシャルオイル
- Pure Essential Oil
精油(エッセンシャルオイル)は必ずラベル表示例のように表示する必要があります。
遮光瓶に入っていたり、箱が似ていても、精油(エッセンシャルオイル)と記載がないものは合成香料を使用しているアロマオイルです。
チェックポイント3. 学名が記載されているか
精油(エッセンシャルオイル)は箱や瓶に原料となる植物の学名が記載されていることが多いです。
記載されている内容はメーカーによって違いますが以下の3つが記載されていることが多いでしょう。他に、原産国なども表示されていることがあります。
記載されていることが多い内容
- 植物の学名 ( 例:Citrus bergamia)
- 原産国 ( 例:イタリア)
- 抽出部位 ( 例:果皮)
- 抽出方法 ( 例:圧搾法)
植物の学名はイタリック文字で書かれていることがほとんどです。
学名はなじみがなくわかりづらいかもしれませんが「学名」と書かれていれば問題ありません(画像のように学名という表記がない場合もあります)。
覚える必要はありませんが、抽出方法は全部で6つあります。
代表的な抽出方法
- 水蒸気蒸留法
- 圧搾法
- アンフルラージュ法(冷浸法)
- マセレーション法 (温室法)
- 溶媒抽出
- CO2蒸留法
よく知られている水蒸気蒸留法だけではないことを知っておくといいですね。
天然精油を販売しているアロマ専門店
オーガニック精油(エッセンシャルオイル)と精油(エッセンシャルオイル)の両方を取り扱っているアロマ専門店をご紹介します
生活の木|オーガニック以外にも手に取りやすい商品が多い
生活の木は、世界32か国の国内外の提携農園から、源泉したハーブや精油、植物など世界中の自然の恵みを調達しています。
エッセンシャルオイルは196種類もあり、オーガニックの精油だけでなくブレンドオイルも取り扱っています。
他のブランドでは5mlや10mlがほとんどですが、生活の木では3mlから購入することができます。たくさんの香りの試香ができるので、香りを重視したい人にはうれしいですね。
天然精油やアロマテラピー関連商品以外にも、ハーブティーやスキンケア用品などがあるので、気軽に生活に取り入れることができますね。
初心者向けにオレンジスイート、ローズマリー、ラベンダーの3種類が入っている「精油とアロマストーンのセット」も販売しています。
ニールズヤード レメディーズ|海外の厳しいオーガニック基準をクリアしたオイルが手に入る
ニールズヤード レメディ―ス(以下ニールズヤード)は、1981年にイギリスで創業し1985年に日本で販売開始され40年以上の老舗ブランドで、オーガニックコスメの先駆けといえます。オーガニックのアロマオイルにこだわりがある人におすすめのお店です。
ニールズヤードは大量生産よりも大切に作ることを重視しており、できる限り新鮮な状態のうちにボトリングされています。
初心者向けにアロマスターターキット(ティ―トリー、オレンジ)が販売されています。
エンハーブ|メディカル基準のハーブや精油を利用したいなら
エンハーブは1997年に1号店を下北沢にオープンして約20年。
メディカルハーブにこだわったハーブ専門店で、世界各国から生産者を厳選しています。
精油の多くが、オーストラリアのオーガニック認証団体(ACO)またはアメリカ農務省(USDA)から付与されたオーガニック認証を取得しています。
香りの力強さが魅力のエンハーブでは、専任担当者が定期的に、全アイテムの香りや性質の確認を実施しています。
オーガニックアロマオイル使用時の注意点
オーガニックのアロマオイルや精油は薬草でもある植物独自の効果や効能がありますが、純度が高いので使用方法を誤ると、過度の刺激を感じたり体調に影響を及ぼすこともあります。
代表的な注意点は、以下の8つです。
- 原則として原液をそのまま皮膚につけたり、飲用したりしない
- 経口毒性があるものあるので内服はしない
- 目や唇などの粘膜部には希釈したものでも使用しない
- 1歳以下の乳幼児へは、マッサージ・お風呂等でも使用しない
- 乾燥肌やアレルギーのある方は使用前にパッチテストを行う
- エッセンシャルオイルを肌に用いる場合はキャリアオイル(植物油)で希釈する
- 柑橘系の精油は紫外線に反応して肌の刺激になる場合がある野で外出時に使用しない
- 使用期間が限られているので期間が過ぎたものは使わないリスト
妊娠中の方や持病がある方は,、使用により悪影響が出る場合があります。必ず、使用する前にかかりつけ医に相談しましょう。
いつも使用しているものでも、体調が悪い時は刺激を感じることもありますので利用を控えるか香りを楽しむだけにとどめることをおすすめします。